新種のカエデ情報（2004年1月10日記述）

中国の 陳 又生 (Chen yousheng) さんから新種の情報が入りましたので紹介します。

Yousheng Chen and Qiner Yang
Laboratory of Systematic and Evolutionary Botany, Institute of Botany, Chinese Academy of Sciences, Xiangshan, Beijing 100093, People's Republic of China.

Guanghua Zhu
Missouri Botanical Garden, P.O. Box 299, St. Louis Missouri 63166-0299, U.S.A.

新種のカエデの種名： Acer yangbiense Y.S.Chen & Q.E.Yang
中国雲南省(Yangbi) 県、Malutang の森, 標高2400m, 2002年４月24日

要約 ： 中国雲南省(Yangbi) 県産のこの新種は、四川西部産の雷波槭 (Acer leipoense Fang & Soong) とは、葉の背軸側面が青灰色で、果序と小花柄がはるかに長く無毛であり、そして、小堅果が凸状に膨れている点で類似する一方、葉がハート型の基部をもち大きめの５つの裂片から成り、背軸側の葉脈と細脈が濃い軟毛に被われ、そして、若い枝と葉柄が軟毛に被われている点で相違する。

(A. yangbiense), 雷波槭 (A. leipoense), 貢山槭 (A. kungshanense) の判別のカギ

1a. 葉の背軸面が黄茶色

果序は7-9cmの長さで無毛、果実は総状花序で4-7個、小堅果は球状.......Acer kungshanense

1b. 葉の背軸面が青灰色

果序は10-32cmの長さで有毛、果実は総状花序で9-17個、小堅果は凸状

2a. 葉は(9-11)*(11-12)cm、裏面葉脈に沿ってまばらに有毛、基部は丸く3裂片の葉
......小堅果は(3.5-4.3)*(0.8-1.3)cm...........Acer leipoense

2b. 葉は(10-20)*(11-25)cm、裏面葉脈に沿って濃く有毛、基部はハート型で5裂片の葉
......小堅果は(4.7-5.5)*(1.4-1.7)cm..........Acer yangbiense

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なお、 (A. yangbiense) は分類群としては、葉のない側芽から生じる総状花序をもち、芽には約９対の鱗模様の鱗片をもつことで、Acer sect. Lithocarpa ser. Lithocarpa に属する。

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