秋空に浮かぶ月 2021、その６
2021年の立秋は８月７日で、立冬は11月７日です。
このページでは、秋の第６週、2021年９月15日から９月21日まで、
上弦の月の次の日から満月までの月の表情を紹介します。
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再掲しますが、
９月14日は、正午月齢 7.1 でした。
旧暦八月八日でした。
午前５時39分に上弦の月になり、その約７時間半後に月の出になりました。
月の出は午後１時13分、月の入りは午後10時57分でした。
日の入りは午後５時55分でした。
夕方まで雲が厚く、夜は小雨が降り続きました。
上弦の月は見えませんでした。
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９月15日は、正午月齢 8.1 でした。
旧暦八月九日でした。
月の出は午後２時17分、月の入りは午後11時57分でした。
南中時刻は、午後７時06分でした。
なお、15日は南端の軌道をとり、
122.6 度（真東より 32.6 度南側）の方角から出て、
16日午前１時過ぎに 237.6度（真西より 32.4 度南側）の方角に沈みました。
九日月の表情変化です。
左上；午後４時24分頃、右上；午後６時33分頃
左下；午後８時47分頃、右下；午後10時02分頃
日の入時刻は午後５時54分、南中時刻は午後７時06分頃でした。
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９月16日は、正午月齢 9.1 でした。
旧暦八月十日でした。
月の出は午後３時13分、月の入りは17日未明の午前１時02分です。
始終、雲が厚く、わずかに場所が分かる程度でした。
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９月17日は、正午月齢 10.1 でした。
旧暦八月十一日でした。
月の出は午後４時00分、月の入りは18日未明の午前２時09分でした。
台風14号の接近のためか、終日、弱い雨が降り続いていました。
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９月18日は、正午月齢 11.1 でした。
旧暦八月十二日でした。
月の出は午後４時41分、月の入りは19日午前３時16分でした。
午後８時前に姿を見せてくれました。
午後７時55分頃、雲から出てきた十二日月
上に木星が見えています。
雲から解放される時に、雲の色が変化しました。
午後７時59分頃、雲と十二日月
午後８時01分頃、雲と十二日月
十二日月の表情変化です。
左；午後８時02分頃、右；19日未明の午前０時23分頃
19日未明の午前０時半頃には、完全に雲から解放されていました。
19日未明の午前０時24分頃の十二日月と木星（右）
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９月19日は、正午月齢 12.1 でした。
旧暦八月十三日でした。
月の出は午後５時15分、月の入りは20日午前４時21分でした。
午後８時を過ぎて、南南東の空の雲の間に姿を見せました。
午後８時28分頃、雲の間に姿を見せた十三日の月
十三日月の表情変化です。
左；午後８時35分頃、右；19日未明の午前１時48分頃
20日未明には、完全に雲から解放されていました。
前日近くに見えた木星は、だいぶ離れて先に進んでいました。
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９月20日は、正午月齢 13.1 でした。
旧暦八月十四日でした。
月の出は午後５時45分、月の入りは21日午前５時23分です。
午後６時頃、志都呂団地の東の空に十四夜の月が確認できました。
午後６時04分頃の志都呂団地の東の空に現れた十四夜の月
十四夜の月の表情変化です。
左上；午後６時04分頃、右上；午後７時05分頃
左下；午後11時35分頃、右下；21日午前４時37分頃
南中時刻は午前11時30分頃でした。
満月になる時刻は、右下の画像の約４時間後の21日午前８時55分頃になります。
月の入りの浜松時刻は、21日午前５時26分です。
なお、日の出の浜松時刻は、午前５時36分です。
21日午前５時前に、篠原町の防潮堤遊歩道まで来ました。
遠州灘に沈みゆく午前５時02分頃の十四夜の月
遠州灘に沈みゆく午前５時23分頃の十四夜の月
遠州灘に沈みゆく午前５時24分頃の十四夜の月
遠州灘に沈みゆく午前５時25分頃の十四夜の月
よく見ると、水平線とお月様の間に、渥美半島の山並みが見えていました。
日の出はこの後約10分後に迫っていました。
これから約３時間半後の午前８時55分頃に、満月になります。
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９月21日は、正午月齢 14.1 でした。
旧暦八月十五日でした。
21日午前８時55分頃に満月になりました。
月の出は午後６時13分、月の入りは22日午前６時23分でした。
浜松では、21日深夜まで厚い雲に覆われていて、満月の月の出は見られませんでした。
日が変わり、22日未明になって、しばらく空を眺めていると、雲の間から見えてきました。
22日未明午前０時59分頃の十五夜満月の月
満月の時刻から約16時間後の表情です。
わずかの時間差での表情変化です。
左；午前１時07分頃、右；午前１時37分頃
22日午前１時半頃は、雲から完全に解放されていました。
午前１時37分頃の表情
満月の時刻から約16時間半後の表情です。
右下側に影が見え始めています。
22日明け方には、小雨が降っていて再び見えなくなりました。
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中秋の名月にちなみ、名月を描いた文学の一部を記します。
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「中秋の名月」の描写された文例
以下は、私の個人的好みによりほんの一部を拾い上げました。
まず、漢詩から、杜甫、白居易、王権、蘇東坡 です。
題名 |
律詩、漢詩文 |
杜甫 八月十五夜月 二首よりその１ |
満月飛明鏡 帰心折大刀 転蓬行地遠 攀桂仰天高 |
白居易 672. 華陽観中
八月十五日夜 招友翫月 |
人道秋中明月好 欲邀同賞意如何 華陽洞裏秋壇上 今夜清光此處多 |
白居易 724. 八月十五日夜禁中 独直 対月憶元九 |
銀台金闕夕沈沈 独宿相思在翰林 三五夜中新月色 二千里外故人心 |
白居易 1069. 八月十五日夜 盆亭望月 |
昔年八月十五夜 曲江池畔杏園辺 今年八月十五夜 盆浦沙頭水舘前 |
白居易 3182. 八月十五日夜 同諸客翫月 |
月好共傳唯此夜 境閑皆道是東都 嵩山表裏千重雪 洛水高低兩顆珠 |
王建 十五夜望月 中秋望月 |
中庭地白樹棲鴉 冷露無声湿桂花 今夜月明人尽望 不知秋思在誰家 |
蘇東坡 中秋月 |
暮雲収蓋溢清寒 銀漢無聲轉玉盤 此生此夜不長好 明月明年何處看 |
注；「1069. 八月十五日夜、盆亭望月」の「盆」の字は、漢詩文では、「サンズイ偏」が付いています。
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源氏物語より
夕顔より
八月十五夜、隈なき月影、隙多かる板屋残りなく漏り来て、
見なららひたまはぬ住まゐのさまもめづらしきに、
あか月近くなりにけるなるべし、
隣のいゑいゑ、あやしきしづのおの声々、目覚まして、「あはれ、いと寒しや」
須磨より
月のいとはなやかにさし出でたるに、「 今宵は十五夜なりけり」と思し出でて、
殿上の御遊び恋しく、「所々眺めたまふらむかし」と思ひやりたまふにつけても、
月の顔のみまもられたまふ。
「二千里外故人心」と誦じたまへる、例の涙もとどめられず。
入道の宮の、 「 霧や隔つる」とのたまはせしほど、
言はむ方なく恋しく、折々のこと思ひ出でたまふに、よよと、泣かれたまふ。
鈴虫より
十五夜の夕暮に、仏の御前に宮おはして、端近うながめ給ひつつ念誦し給ふ。・・・
「虫の音いとしげう乱るる夕べかな」とて、・・・
月さし出でて、いとはなやかなるほどもあはれなるに、空をうちながめて、
世の中さまざまにつけて、はかなく移り変はるありさまもおぼしつづけられて、
例よりもあはれなる音に掻き鳴らし給ふ。
・・・「月見るよひの、いつとても物あはれならぬ折はなき中に、
こよひの新たなる月の色には、げになをわが世の外までこそよろづ思ひながさるれ。
故権大納言、何の折々にも、亡きにつけていとどしのばるること多く、
公私、物の折ふしのにほひ失せたる心ちこそすれ。・・・」
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八代集に見られる中秋の名月を歌う和歌より一部抜粋
後撰集 325 いつとても月見ぬ秋はなきものをわきて今夜のめづらしきかな 藤原雅正
拾遺集 171 水の面に照る月浪をかぞふれば今宵ぞ秋の最中なりける 源順
後拾遺集 262 夜もすがら空すむ月をながむれば秋は明くるも知られざりけり 堀川右大臣頼宗
後拾遺集 264 今宵こそ世にある人はゆかしけれいづこもかくや月を見るらん 赤染衛門
後拾遺集 265 秋も秋こよひもこよひ月も月ところもところ見る君も君 知らず
金葉集 180 池水にこよひの月をうつしもて心のままにわがものと見る 院御製
金葉集 182 いづくにも今宵の月を見る人の心や同じ空にすむらん 民部卿忠教
金葉集 185 さやけさは思ひなしかと月影を今宵と知らぬ人にとはばや 源 親房
西行の歌う中秋の名月より一部抜粋
山家集 329 山の端を出づる宵よりしるきかな今宵知らする秋の夜の月 西行
山家集 330 数へねど今宵の月のけしきにて秋の半ばを空に知るかな 西行
山家集 333 うちつけにまた来ん秋の今宵まで月ゆゑ惜しくなる命かな 西行
山家集 334 秋はただ今宵一夜の名なりけりおなじ雲井に月は澄めども 西行
松屋本山家集 28 山の端に出でつる月を見つるかな何事をかはいひくらぶべき 西行
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徒然草より
239段 八月十五日、九月十三日は、
八月十五日、九月十三日は、婁宿（ろうしゅく）なり。
この宿、晴明なる故に、月を翫ぶに良夜とす。
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芭蕉
611 月いづく 鐘は沈める 海の底
619 名月は ふたつ過ぎても 瀬田の月
625 けふの今宵 寝る時もなき 月見哉
632 雲折々 人を休むる 月見かな
634 名月や 池をめぐりて 夜もすがら
635 寺に寝て まこと顔なる 月見かな
642 名月や 北国日和 定めなき
646 名月や 門にさしくる 潮がしら
648 夏かけて 名月暑き 涼み哉
650 名月の 花かと見えて 綿畠
蕪村
496 仲丸の 魂祭せむ けふの月
497 月今よひ あるじの翁 舞出よ
498 盗人の 首領歌よむ けふの月
634 椀久も 狂ひ出来よ 夜半の月
636 花守は 野守に劣る けふの月
一茶
600 名月の 御覧の通り 屑家かな
601 そば時や 月のしなのの 善光寺
602 名月を とってくれろと 泣く子かな
605 ふしぎなり 生きた家で けふの月
606 姥捨てた 奴も一つの 月夜かな
608 古郷の 留守居も一人 月見かな
610 名月や 五十七年 旅の秋
611 名月や 膳に這よる 子があらば
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以上の内容については、「月を歌う文学のページ」をご覧ください。
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９月14日の上弦の月を過ぎて、月の出時刻が午後になり、
満月の９月21日に、月の出時刻は夕方になりました。
９月15日に南端の軌道になり、北上して
21日〜22日に東西の中間軌道を過ぎ、さらに北上中です。
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次回は、満月の次の日から下弦の月までです。