新月は、月が太陽に地球から見て最も近い位置にあるため、太陽の光が眩しくて見えません。
これら２つが重なる場合は、日食になります。

秋分の日の頃の新月は、太陽と同様に東西の軌道を通ります。
南中時には、夏の満月と冬の満月の中間の高さ、春秋の太陽の高さに見えます。

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秋分の日の頃の新月の南中時の高度の例（浜松）：
2015年９月13日：58.4度
2020年９月17日：63.5度（翌日は57.1度）
2024年10月３日：48.6度（前日は55.4度）
春分秋分の日の太陽の南中高度は 55.6度（浜松）

秋分の日頃の新月は、秋分の日の太陽の南中高度とほぼ同じと見られます。
黄道と白道の５度ほどの傾きの影響は、東西の軌道にはほとんど見られません。

なお、新月前後には、三十日月（晦日月）や二日月の観察ができます。

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次は、新月の１日前の晦日月の月の出の風景１（2020年10月）です。

2020年10月16日午前５時00分頃の三十日の月

太平大橋から見た新月の１日前の超細い月は89度で、真東より１度だけ北側でした。

三十日の月は、空が明るくなると新月同様 見えなくなりますが、
この日の南中高度は 54度でした。秋分の日の太陽の南中高度と1.6度ずれるだけです。

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次は、新月の１日前の晦日月の月の出の風景２（2018年10月）です。

2018年10月８日午前４時52分の佐鳴湖で見た景色です。
地球照が見られ、湖面の反射光だけ見ると満月のようにも見えます。
新月の１日前の超細い月の月の出の方角は84度で、真東より６度北側でした。
９日の新月の月の出の方角は91度で、真東より１度ほど南側からでした。
その南中高度は 53度でした。秋分の日の太陽の南中高度と2.6度ずれるだけでした。

この図で、東に見える晦日月の傾きを確認します。 

それは、東に見える秋の晦日月が横に寝ていることです。
しばしばお酒がこぼれない角度に見えると表現されます。
これとは反対に、新月過ぎの西の空に見える二日月が斜めに立って見え、
お酒がこぼれる見え方をすることを、次の図も見て確認しておきましょう。

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次は、新月の次の日の二日月の月の入り前の風景（2019年９月）です。

2019年９月30日午後６時09分頃、浜名湖今切口の浜名大橋にかかる二日月

南中時の高度が49度、月の入りは261度で真西より９度ほど南側の方角でした。
前日の新月は、南中時の高度が55度、月の入りは268度で真西より２度ほど南側の方角でした。

この図で、西に見える二日月の傾きを確認します。

それは、秋分の日の頃の新月過ぎの西の空に見える二日月が斜めに立って見え、
お酒がこぼれる見え方をすると表現されることもあります
春の二日月・三日月では横たわっていて、お酒がこぼれないように見えるからです。

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以上３枚の画像のデータから、
秋分の日の頃の新月が、秋分の日の太陽とほぼ同じ東西の軌道を通ることが確認できました。

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秋分の日の頃の半月、すなわち、上弦の月と下弦の月の、
共通点は、南中時に弦がほぼ垂直に見えることです。
相違点は、上弦の月が低い南側の軌道を通り、
下弦の月が高い北側の軌道を通ることです。

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３．秋分の日の頃の上弦の月の見え方

上弦の月は、昼頃東から出て、夕方に南の空に見え、真夜中頃に沈みます。

秋分の日の頃の上弦の月の南中時の高度の例（浜松）：
2015年９月21日：36.4度
2020年９月24日：30.2度
2024年９月11日：26.4度
冬至の日の太陽の南中高度：31.9度（浜松）

秋分の日の上弦の月の南中時の高度は、冬至の太陽の南中高度に比べて、
2015年では 4.5度ほど高く、2020年では南の空ほぼ同じ高さで、
2024年では 5.5度ほど南の空低くに見えることがわかります。

これは、白道と黄道とが５度ほど傾いていて、昨年今年はその極大値になるためです。
この傾きのズレは、ほぼ19年の周期で変動します。

南端の軌道を通るので、冬至の太陽の動きに類似していることの他に、
夏至冬至の上弦の月と異なり、南中時に月の弦がほぼ垂直に見えます。

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以下３枚の図で、上弦の月の月の出の頃の見え方、月の入りの頃の見え方
そして、南中時の見え方を示します。

次は、秋分の日の頃の上弦の月の前日の月の出の頃の風景（2019年10月）です。

2019年10月５日お昼の午後０時52分頃の七日月

月の出の方角は、118度（真東より28度南側）で、南中時の高度は31.8度でした。
翌日の上弦の月の月の出の方角は、118度（真東より28度南側）で、南中時の高度は32度でした。
冬至の日の太陽の南中高度：31.9度（浜松）とほぼ同じです。

次は、秋分の日の上弦の月の１日前の月の入りの景色（2022年10月）です。

2022年10月２日午後９時13分頃の志都呂団地から見たイオン志都呂店に沈みゆく七日月です。

月の入りの方角は、236度（真西より34度南側）で、南中時の高度は27.2度でした。
翌日の上弦の月の月の入りの方角は、236.５度（真西より33.5度南側）で、南中時の高度は27.3度でした。
冬至の日の太陽の南中高度：31.9度（浜松）より５度ほど南側です。

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さらに、秋分の日の頃の上弦の月の南中時の頃の弦の傾きが垂直であることを示します。

2019年10月５日午後５時29分頃の七日月の弦が垂直に見える景色です。
南中時刻が午後５時25分、日没が午後５時26分でした。
この後、10月６日未明に上弦の月になります。

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以上の３枚の図が示すように、
秋分の日の頃の上弦の月は南端の軌道をとるため、南中高度が低くなります。
そして、南中時の弦の傾きはほぼ垂直です。

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４．秋分の日の頃の下弦の月の見え方

下弦の月は、真夜中頃に東から出て、日の出頃に南中し、昼頃沈みます。

秋分の日の頃の下弦の月の南中時の高度の例（浜松）：
2015年９月５日：71.4度
2020年９月10日：76.0度
2024年９月25日：83.9度
夏至の日の太陽の南中時の高度は 78.7度（浜松）

秋分の日の下弦の月の南中時の高度は、夏至の太陽の南中高度に比べて、
2015年では ７度ほど低く、2020年では南の空３度ほど低く、
2024年では５度ほど南の空高く天頂側に見えることがわかります。

これは、白道と黄道とが５度ほど傾いていることによるもので、ほぼ19年の周期で変動します。

北端の軌道を通るので、夏至の太陽の動きに類似していることの他に、
夏至冬至の上弦の月と異なり、南中時に月の弦がほぼ垂直に見えることが挙げられます。

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以下３枚の図で、月の入りの頃の見え方と南中時の見え方を示します。

まず、秋分の日の頃の下弦の月の月の入りの様子（2021年９月）です。

2021年９月29日午前10時58分頃の沈みゆく下弦の月
月の入り時刻（12:13）の約２時間前の景色です。

南中時の仰角高度は、81.1度で、月の入りの方角は302度（真西より32度北側）でした。
南中時の高度は、夏至の日の太陽より２度ほど天頂側でした。
月の入りの方角は、夏至の日の入りの方角（300度）とほぼ同じでした。

さらに、この日の南中時の頃の弦の傾きはほぼ垂直でした。

2021年９月29日午前５時41分頃の弦が垂直に見える南中時頃の二十二日の月
南中時刻が午後５時30分でした。
この後、５時間後の午前10時57分頃に下弦の月になりました。

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次は、秋分の日の頃の下弦の月の頃の月の入り（2024年８月）の景色です。

2024年８月26日午前11時40分頃の自宅前から見る二十二日の月
月の入り時刻（12:30）の50分前の景色です。
この後、お昼に沈んでから、同日26日夕方の午後６時26分に下弦の月になりました。

南中時の仰角高度は、78.2度で、月の入りの方角は300度（真西より30度北側）でした。
南中時の仰角高度は、秋分の日の太陽の高度より0.5度ほど南側で、ほぼ同じでした。
月の入りの方角は、夏至の日の入りの方角（300度）と同じでした。

２日後の８月28日が北端のピークで、月の入りの方角は305度、南中時の高度は83.6度でした。
月の入りは真西より35度北側、南中時の高度は夏至の日の太陽より５度ほど天頂側でした。

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以上の３枚の図が示すように、
秋分の日の頃の下弦の月は北端の軌道をとるため、南中高度が高くなります。
そして、南中時の弦の傾きはほぼ垂直です。

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秋分の日の頃の上弦の月と下弦の月の概念図を示します。

秋分の日の頃の両者の共通点は、南中時に弦が垂直に見えることです。
相違点は、上弦の月は南端の軌道付近に、下弦の月は北端の軌道付近に見えることです。
そのため、上弦の月は滞空時間が短く、下弦の月は滞空時間が長くなります。

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ご参考１；太陽の南中時の高度の例（浜松）
春分の日：55.6度 、夏至の日：78.7度
秋分の日：55.6度、 冬至の日：31.9度

ご参考２；太陽の日の出の方角の例（浜松）
春分の日：90±1 度 、夏至の日：60.2 度（真東より29.8 度北側）
秋分の日：90±1.3 度、 冬至の日：118.1 度（真東より28.1 度南側）

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以上、秋分の日の頃の月の見え方について、記述しました。

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