ノムラモミジの成人式

庭のノムラモミジに変化がありました。今年初めて花が咲き、タネをつけました。

この木は、20年以上前に、30cm程の高さの苗木を園芸センターで購入しました。
玄関そばに植えて、花も咲かず、実もつけず、何の変化もなく時間が過ぎました。

昨年の秋、このモミジは自宅の中で最も鮮やかな紅葉を見せてくれました。
そして、更に、今年の1月中旬の雨に濡れて、紅葉が甦りました。

そして、この春、初めて花が咲き、タネをつけたのでした。
現在、3メートル位まで成長しました。

このページは、ノムラモミジの成人式を祝して作成しました。


ノムラモミジについて

 ノムラモミジは、野村楓、武蔵野とも呼ばれ、昔からよく知られたオオモミジ系の園芸品種です。春の芽出しは紫紅色で白毛に覆われ、上面は濃い紫紅色で下面はやや緑色味の紫紅色。夏場でも、陽にあたる部分は紫紅色が維持されますが、日陰の部分では緑の色が強くなり、「ノムラ」らしさが薄められます。秋の紅葉は、下記の写真のように紫と言うより真っ赤になります。その意味でも「七変化」とも呼ばれています。

逆光に輝く赤紫のハネの色が印象的でした。


このマゼンタ色はとても愛しい色に思えました。
サクラの葉陰にあるため、葉の色に緑が入りつつあります。

「命をつなぐ」「明日につなげる」などのイメージを実感しながら、
同時にハネの赤紫色に見とれてしまいました。

色見本大辞典(http://www.nicopon.com/)より、
イギリス、中国、アメリカ、日本などの伝統色の色見本を知ることができます。

「色見本大辞典」より類似色を探してみました。

1.左上の陽のあたった明るい赤紫のハネの類似色

 一言で言えば、イギリスのマゼンタ(magenta)#de0067 ですが、イギリスのローズレッド(rose red)#e31262、アメリカのリンカーンレッド(lincoln red)#e2184f に近い。中国の銀星海棠(インシンハイタン begonia red)#d13559 よりやや明るく、日本の伝統色では、紅と躑躅の中間にあるように見えます。

2.下の葉陰にある深い赤紫のハネの類似色

 イギリスのクリムスンレーキ(crimson rake)#aa0044、ルビー(ruby)#ae003a 、更に、フューシャ(fuchsia)#ae006d、ラズベリー(raspberry)#8a004f に近い。アメリカのグローリーレッド(glory red)#cc0033、ゴールデンレッド(golden red)#c10435 に近い。中国の品紅(ピンホン fuchsine red)#a71368 より少し赤く、茉莉花紅(モーリーホワホン vivid red)#b31f45 に近い。日本の伝統色では、紅と真紅の中間にあるように見えます。

以下、マゼンタのタネに乾杯して、ここに至るまでの経過を示します。


雄花とタネ(雌花)が見られます。
葉の色は、紫紅色からやや橙がかった茶色系の赤になってきました。


初めての蕾を見せてくれました。


2012年の萌芽です。

以下は、今年の冬1月の紅葉と昨年秋の紅葉を示します。


落葉せずに縮れていた葉が、冬の優しい雨により紅葉が甦った。空は雨上がりで曇りです。
これも驚きでした。

青空が見える頃には明るい赤になるはずが、空気も乾燥して葉は再び萎縮するのでした。

次は、昨年秋の紅葉です。


2011年のこのノムラモミジの紅葉はこの庭で最も鮮やかでした。
しかも、葉枯れや虫食いなどによる葉の損傷も過去最小でした。
これも驚きでした。

次は、16年前のノムラモミジです。


16年前のノムラモミジ、高さは1メートル未満です。

上記したように、ノムラモミジは自然種オオモミジの園芸品種です。


自然種のオオモミジ(北海道産のアポイ山のオオモミジ)です。

このように、このノムラモミジは、昨年秋からの鮮やかな紅葉、冬の紅葉、
そして、今年の春、初めての花・タネを見せてくれたのでした。

ノムラモミジに乾杯!

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